ドラッグストアに買い物に行くと とても気になる商品が…
「いろはす カラダにうれしい れもんと鉄分」
栄養士という職業柄、「鉄」とか「カルシウム」とかを謳った商品は気になってしまいます。
目次
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いろはす カラダにうれしいれもんと鉄分 鉄はどれくらいとれる?
栄養成分表示とみると、100mlあたり
エネルギー 18kcal 鉄 0.51mg
とのこと。
1本で555mlの容量があるので、1本全部飲むと
エネルギー 100kcal 鉄 2.83mg
とれます。
原材料名を確認すると ピロリン酸鉄 との表記がありました。
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ピロリン酸鉄とは?
食品添加物として認められており、一般的に使用されている鉄強化剤は
<水溶性鉄>
・塩化第二鉄 ・クエン酸第一鉄(クエン酸鉄ナトリウム)
・クエン酸鉄 ・乳酸鉄 ・硫酸第一鉄
・グルコン酸第一鉄
<不溶性鉄>
・ピロリン酸第二鉄
<有機鉄>
・ヘム鉄 ・フェリチン ・ラクトフェリン 等々
水溶性の鉄は、一般的に鉄の添加物として使用されることが多いのですが、
独特の鉄サビのような後味がします。
不溶性の鉄は水に溶けないため、吸収は非常によくありません。
有機鉄は独特のにおいがあり、さらに高価なため使用が限られます。
ヘム鉄と非ヘム鉄
上記の鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分けられます。
「ヘム鉄」は上記の「有機鉄」に該当し、肉や魚などの動物性食品に多く含まれます。
「非ヘム鉄」は上記の「ヘム鉄」以外であり、植物性の食品に含まれます。
ヘム鉄と非ヘム鉄の大きな違いはその吸収率にあります。
鉄はもともと非常に吸収が悪い栄養素で、その吸収率は
ヘム鉄は20~30%であるのに対し、非ヘム鉄はたった5%程度しか体に吸収されません。
さらに、非ヘム鉄は食品に含まれるタンニンやシュウ酸などに影響を受け、吸収が阻害されてしまいます。
吸収される時には還元された2価鉄の鉄イオンにならないと吸収されないため、ビタミンCのような還元性を持つ栄養素が必要となります。
ILS株式会社 2:ヘム鉄と非ヘム鉄の各種文献報告 より引用
一般に日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が非ヘム鉄というのが現状です。
鉄不足を予防するには、吸収の良いヘム鉄とバランスの良い食事が大切です。
日本人に必要な鉄の必要量
日本人の食事摂取基準(2015年版)によると鉄の必要量は下記のようになります。
月経のある女性では10.5mg~14.0mgの鉄分が必要であり、それを充足するのは簡単ではありません。
そのため、20代~40代の日本人女性のうち3人に1人は(潜在的)鉄欠乏性貧血とみられています。
また、女性だけではなく男性もまた鉄不足になる危険性はあり、
マラソン(ジョギング)をする際、足の裏を地面に強く打つことにより赤血球が壊され、作る能力以上に鉄を消耗してしまいます。
鉄を食事だけで充足することは難しいこともあり、鉄を含んだ食品も大いに利用して良いと思います。
ただ、鉄分が〇mg入っているから大丈夫、ではなく、それがヘム鉄か非ヘム鉄か見分ける目を持ち、バランスの良い食事を続けていくことが重要です。
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