夜はよく寝ているのに、日中眠くなることはありませんか?
私は管理栄養士ですが、厨房に入って調理に携わることはほとんどなく、パソコンを使用した事務的な作業が多いので、昼食後に眠くなることがよくあります。
最近は睡眠時間が5時間程度なので、それもあって午後は睡魔との闘いになることもあります。
一昔前、食後に眠くなる原因として「食事を摂ると胃に血流が集まり、脳に血流が行きにくい状態となるから眠くなる」なんてことが言われていました。
本当の原因は何なんでしょうか。
目次
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食後に眠くなる原因は?
血糖値の上昇
食後に眠くなる原因、その一番目に挙げられるのが「血糖値の上昇」です。
食事を摂ると少なからず血糖値が上がります。
通常の食事であれば、体内で膵臓からインシュリンというホルモンが放出され、血糖値を正常に戻そうとします。
しかし、食事で摂った糖質が多いと体内で処理しきれず、高血糖状態となります。
この高血糖状態が倦怠感(眠気)となります。
さらに、急激に上がった血糖値を下げようと大量に放出されたインシュリンにより、今度は血糖値の急降下となり、低血糖状態になります。
低血糖状態になると、脳に栄養であるブドウ糖が行き渡らなくなり、ボーっとして眠くなることがあります。
また、高血糖状態により覚醒を促す物質「オレキシン」があまり作られない状態となり、眠気を増進します。
人間の生体リズム
人間は日中に活動し、夜間眠ります。
そのため、日中は生体リズムとしては覚醒が優位を占める状態ではありますが、午後2時~3時には一時的に覚醒の出力が落ちます。
それにより眠くなってしまうというわけです。
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眠くならない食べ方
人間の生体リズムは変えられませんが、急激な血糖値の上昇を防ぐ食べ方はできます。
血糖値を上げるのは炭水化物などの糖質です。
その糖質をコントロールできれば、血糖値の急上昇は防ぐことができます。
糖質の少ない食事内容にする
ラーメンやうどん、パスタなどの麺類は糖質がメインとなるので、できるだけ定食のようなものに替えるかサラダや和え物などを追加します。
野菜を先に食べる
ベジファースト(ベジタブルファースト)という言葉はご存知ですか?
食事の最初に野菜やきのこ類や海藻などを食べることをいうのですが、最初に野菜を食べることにより食物繊維の効果で血糖値の急激な上昇が抑えられます。
順番としては野菜→たんぱく質→糖質の順が一番血糖値を上げにくい順番となります。
時間をかけてゆっくり食べる
たとえ糖質の多い食事でも時間をかけてゆっくり食べることで血糖値の上昇を抑えられます。
ただ、仕事の昼休みの1時間では時間をかけて食べることはできませんから、自宅や食事会、飲み会などの時にはゆっくり食べるとよいでしょう。
朝食を摂る
朝食を食べずに空腹の状態でランチタイムを迎えると、体は低血糖の状態となっており、食事から糖を取り込みやすくなります。
忙しいから、食べたくないからという理由で朝食を抜いてしまうことが、血糖値の上昇につながってしまうんですね。
食後に少し運動をする
これは食べ方ではないのですが、食後すぐに体を動かすことにより血糖値の上昇を抑えられます。
軽い体操でも良いし、散歩でもよいです。体を動かしてみましょう。
まとめ
食事の摂り方で血糖値の上昇が抑えられ、午後の仕事の効率化も図れることがおわかりいただけたかと思います。
忙しい現代人はゆっくりと食事を摂る時間を確保することは難しいかもしれませんが、食事を摂る際の工夫はできるかと思います。
効率よく仕事を終わらせて、プライベートの時間を効率よく確保しましょう。
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