受験対策には、どんな食事が良いのか?受験のお子さんを持つママなら気になるのでは?
でも、そんなに難しく考えなくて大丈夫! 受験だからと言って特別な食事でなくて良いんです。大切なのは普段と変わらない栄養バランスを中心とした食事だからです。
栄養バランスのとれた食事は、脳が充分に働いてくれる栄養素をとりやすく、受験シーズンに大切な記憶力・集中力、思考力を高めるのに役立ちます。
でも、「そもそも栄養バランスの取れた食事って、どんなもの?」と思うママも多いのでは?今日はそんなママにでも役立つように栄養バランスをはじめ、受験シーズンに意識して摂りたい栄養素、朝食についてお伝えさせて頂きますね。
目次
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1.栄養バランスが良い食事って?
受験シーズンになると、頭に良い食べ物って気になりませんか?
例えば脳機能を高めるために役立つといわれているDHAなどは有名ですよね。
しかし、栄養素は単独で働かず、体内では様々な栄養素が連携しあって働いています。
どれが欠けても栄養素の働きはスムーズにいきません。
そのため、脳機能に良いからと1つのものに執着するのではなく、まんべんなく栄養素をとるように心がけることが受験シーズンでも大前提。
上手に栄養バランスを整えるコツはいたってシンプル、
- 主食:ごはん、パン、麺類など、エネルギー源になる食材。
- 主菜:魚、肉、卵、大豆製品、乳製品など、たんぱく源になる食材。
- 副菜:野菜、海藻、きのこ類、いも類など、主にビタミン、ミネラルをはじめ、食物繊維の供給源になる食材。
の主食、主菜、副菜の3つのお皿を揃えることです。
また、朝は大豆製品であったらお昼はお肉など食材をローテーションできるとなお良いですね。
農林水産省でもこの3つのお皿が組み合わせたお食事は栄養バランスに関係し、
揃えている回数が多い人は、少ない人と比べて
「バランスよく栄養素や食品がとれていること」
「ビタミンなどの栄養素が不足している人が少ないこと」
が報告されていると言われています。
【出典】農林水産省~栄養バランスに配慮した食生活にはどんないいことがあるの?~<http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/eiyo_balance.html>(最終アクセス 2019 年 1 月 25 日)
こちらの栄養バランスを大切に、
以下の脳機能に役立つ栄養素を意識してとられると良いでしょう。
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2.脳機能アップに役立つ栄養素8選
糖質
糖質(ブドウ糖)は、脳のエネルギー源になる栄養素。
糖質には単糖類、二糖類、多糖類と種類があり、以下の表を見ながら目的別に使い分けてみてくださいね。
特徴 | 含まれている食材など | 効率の良い摂り方 | ||
単糖類 | これ以上、分解できない糖質の最小単位 | ブドウ糖、果糖など | 果物、はちみつなど | 消化・吸収が早く、直ぐに血糖値が上がることから、短時間だけ集中したい時、頭が疲れた時の応急処置などに向く。 |
二糖類 | 単糖が2つ結びついたもの | ショ糖(砂糖)、乳糖など | 砂糖、牛乳など | |
多糖類 | 単糖がたくさん結びついたもの | デンプンなど | お米やいも類など | 消化吸収が遅く、血糖値の上昇が緩やか。腹持ちがよいため、長時間勉強する必要がある日常食に向く。 |
急激に血糖値が上がると眠くなる原因にもなるため、日々の食事には、多糖類タイプの食材を主にするのがおススメです。
特に、お米はパンと比べ、脂質が低いため、ごはんを中心とした食事は受験シーズンの肥満予防にもなります。
ビタミンB1
受験は長期戦。終わるまで長い道のりです。
そんな時の疲労対策は必須。別名、疲労回復のビタミンとも言われているビタミンB1を意識して摂り、体のケアに役立て見てください。
また、ビタミンB1は糖質をエネルギーにする働きをスムーズにしてくれるメリットもあります。
ビタミンB1は水溶性で体に蓄積しないので、お食事からこまめに摂りいれられると良いでしょう。汁ごと食べられる料理などが適しています。
【ビタミンB1が多く含まれている食べ物】
豚肉、うなぎ、たらこ、のりなど
カルシウム
カルシウムは骨に必要なミネラルで知られていますが、神経伝達とも関わっており、不足するとイライラの原因に。
特に受験シーズンは思春期とも重なっているため、摂取を心がけたい栄養素の1つです。
また、吸収が悪いので、多く含む食材や吸収をサポートしてくれる食材(ビタミンDを含むシイタケなど)を摂り入れつつ、吸収を妨げてしまうリンの摂り過ぎに気をつけられると良いでしょう。
ちなみにリンは加工食品やレトルト食品に多く含まれていますので、食事でカップラーメンの頻度が多くなっていないか?など、注意されると良いですね。
【カルシウムが多く含まれている食べ物】
干し海老、牛乳、乳製品、青菜、木綿豆腐など
鉄
鉄分は酸素の運び屋さんです。
そのため、鉄不足は脳が酸欠となり、頭がぼ~としやすくなり、勉強に集中できなくなります。
活動量も多い受験期のお子さんは不足しやすいため、意識して摂れると良いですね。
カルシウム同様、鉄も吸収が悪いミネラルの1つなので、吸収を良くするビタミンCを含む食材(レモンなど)や動物性たんぱく質(肉や魚など)を合わせるなどして吸収を高めるのがコツです。
【鉄が多く含まれている食べ物】
豚レバー、シジミ、青菜、卵黄など
チロシン
脳内の神経伝達物質のドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの材料となり、脳の働きをサポートするアミノ酸。
チロシンが満たされていると、ストレスの状態でも気分転換を手助けし、物事に集中しやすくしてくれると言われています。
チロシンは糖質と一緒に摂ることで、脳に多く取り込むことができますので、しらすご飯などは利にかなっていますね。
【チロシンが多く含まれている食べ物】
納豆、チーズ、しらす、たけのこなど
食物繊維
食物繊維を多く含む食材には、便秘の解消に役立つだけでなく、食感が良く噛む回数を増やしやすいゴボウなどがあります。
噛む回数を増やしやすい食材は、脳に刺激を与えたり、血糖値の急激な上昇を抑えたりと、受験に関わらず、今後の健康維持にも役立ちますので日ごろから摂れると良いでしょう。
【食物繊維が多く含まれている食べ物】
野菜、海藻、きのこ類など
DHA
脳の機能を高める脂として有名なDHA。
記憶力や学習能力を高め、脳細胞の発育や機能維持に欠かせません。
また、人の体内ではほとんど作られない特徴をもっていることから、食事からとる必要があります。
しかし、今は魚を食べる頻度が減ったことで不足が心配されています。
受験シーズンに手軽に摂りたいなら、さばやいわしの缶詰などを利用するのは1つの手です。
理想的なDHAの摂取量は、一日に1g~1.5g、100g中に、約1300㎎も含まれているさば缶(水煮)は頼もしい味方ですね。
【DHAが多く含まれている食べ物】
青魚(イワシやサバなど)
レシチン
なじみが少ない栄養素かもしれませんが、脳の神経細胞や脳で働く神経伝達物質アセチルコリンの材料となることから、記憶・集中力を高めるのに役立つとされています。
また、1日に必要とされるレシチンの量は1000~5000㎎ほど。
卵1個では約1500㎎含まれているとされているため、1日1個、卵を食べることはレシチンを摂るために役立ちます。
【レシチンが多く含まれている食べ物】
大豆製品(納豆、豆腐など)、卵黄、レバー、豚肉、牛肉など
3.朝型生活の大切さを忘れずに!
受験シーズンになると夜型生活になりがちです。
しかし、生活リズムが崩れすぎると、体調が優れず、集中力が低下、作業効率も悪くなりやすくなります。
また食事面でも頑張って栄養バランスの良いお食事を準備しても、体調が悪くなれば消化吸収も悪くなりがちに。
元気な体を保つためにも朝型生活を意識することは忘れないでいたいものです。
・朝日と朝ごはんで朝型生活を応援
朝型生活が大切といっても、なかなかお子さんの目覚めをよくするには至難の業の方も多いのではないでしょうか。
そんな時は「朝日を浴びること」「朝ごはんを食べること」を意識してみて下さいね。
私たちの体には体内時計が備わっており、無意識に脳と体は、朝は活動、夜は眠るようなスタイルになっています。
そんな体内時計は、2種類あり、1つは脳の中に、2つ目は全身の細胞にあると言われ、脳の中の体内時計は朝日を浴びることでリセット、肝臓などの細胞にある体内時計は朝ごはんでリセットされるのです。
そのため朝ごはんを抜くと2つの時計が揃わず、体のリズムを崩す原因になってしまいますので、朝日を浴びるだけでなく、朝ごはんもセットにすることが、より眠気覚ましが期待できる訳なんですね。
朝ごはんを抜くと、脳のエネルギー不足にもなり勉強に集中ができなかったり、イライラしやすかったりし、勉強もはかどりにくくなります。
食欲がない子には、無理強いせず、みそ汁やスープなどの汁もの系から食べる習慣をつけ、少しずつ食べられる食材を増やせると良いでしょう。
・受験生におススメの朝ごはんメニュー例
ごはん、具だくさん味噌汁、焼き魚、(青菜のお浸しなど)
パンも美味しいけれど、ごはんは腹持ちが良いうえ、粒々したお米はよく噛みやすいメニュー。脳の活性化に役立ちます。
また、豆類には必須アミノ酸の一つ、集中力を高めるのに役立つとされるリジンが含まれているので、大豆製品との相性が良いごはんを中心としたメニューを取り入れてみるのは良いですね。
【まとめ】
受験シーズンはお子さんが頑張っている姿をみて、自分には何ができるのか?日々考えているママも多いはず。
今回は栄養バランスの整え方をはじめ、脳機能アップに役立つ栄養素の摂り入れ方をご紹介させて頂きました。
少しでも食から応援したいママに役立てば嬉しいです。
【参考文献】
- 七訂食品成分表2018/香川明夫(監修)/女子栄養大学出版部 (2018)
- 子どもに効く栄養学/中村丁次(監修), 牧野直子(監修)/日本文芸社 (2018)
- 水と塩を変えると病気にならない/新谷 弘実(著)/マガジンハウス (2011)
- カラー図解 栄養学の基本がわかる事典/川島由起子(著)/西東社 (2013)
- 朝ごはんで人生を成功に導く方法/村井 美月(著)/アドレナライズ (2013)
- よくわかる栄養学の基本としくみ著者/中屋 豊(著)/秀和システム (2009)
- 認知症予防の第一人者が教える 脳にいいこと事典/白澤卓(監修)/西東社 (2017)
- 何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ/岩崎 一郎(著)/クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2013)
- 農林水産省 お米の魅力 http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1211/spe1_02.html
- 農林水産省 朝ごはんを食べないと http://www.maff.go.jp/j/seisan/kakou/mezamasi/about/about.html
- 一般社団法人Jミルクhttp://www.j-milk.jp/kenko/kenko/8d863s000000ouk7.html
- 佐賀県有明海漁業協同組合
http://www.jf-sariake.or.jp/page/nutorition.html
- 食品素材事業サイトhttps://www.food.hayashibara.co.jp/library/5/2/
- 農研機構http://www.naro.affrc.go.jp/archive/nfri/introduction/chart/0304/chrononutrition.html
**その他の参考文献**********************
認知症予防の第一人者が教える 脳にいいこと事典
脳も体も冴えわたる 1分仮眠法
著者: 坪田聡
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