「ベジタブルファースト」、「ベジファースト」という言葉を聞いたことがありますか?
食後の血糖値の急上昇を抑える食べ方として、最近、良く聞くようになりました。
糖尿病の方の血糖値のコントロールであったり、最近の低糖質ダイエットをされている方でも
「食後の血糖値の急上昇を抑えることが大事」ということは聞いたことがあるのではないかと思います。
今回は、食後の血糖値の急上昇を抑える食事の順番について解説していきたいと思います。
目次
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ベジタブルファーストって何?
食事の後に血糖値が急上昇し、その後急降下することによって、血糖値スパイクという状態がおこります。
血糖値スパイクが起こることにより食後に眠気や頭痛などを感じることもあります。
この血糖値スパイクという状態を放っておくと、2型糖尿病になるリスクが高くなり、
動脈硬化の進行が早まると言われています。
そんな血糖値スパイクを抑える食べ方として推奨されているのが
「食事の一番最初は野菜から食べる」という食べ方。
これがベジタブルファーストという名前の所以です。
野菜を先に食べることにより、野菜の食物繊維が糖の吸収を抑制するため急激に血糖値の上昇するのを抑えるというもの。
主食である米飯やパン、パスタなどを最初に食べることで血糖値が急激に上昇しますが、
最初に野菜を食べることにより、血糖値が緩やかに上昇するということが報告されています。
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日本人のインスリン分泌能は?
京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学特定准教授矢部大介先生によると
日本人は多民族と比較してインスリン分泌能が低いため、少しの体重増加でも糖尿病を発症しやすくなるそうです。
インスリン分泌にはインクレチンという消化管ホルモンがかかわっています。
その消化管ホルモンは、GIPとGLP-1の2種類があります。
日本人のインクレチン分泌能を調べたところ、GIP分泌能はヨーロッパの白人の方と同等であったのに比べ、GLP-1の分泌能は半分程度しかないということが分かったそうです。
食事を食べる順番でインクレチン分泌を増やす
そこで、矢部准教授は食べる順番に注目し、研究をすすめたところ
米飯を食べる前に魚料理を食べるとGIP、GLP-1の分泌が促進され食後血糖が優位に改善されることがわかったそうです。
さらに、胃排出時間が2倍以上に延長していました。
また、米飯を食べる前に肉料理を食べるとGLP-1だけではなくGIP分泌も強く促進されたこともわかりました。
しかし、GIPは肉に多く含まれる飽和脂肪酸により脂肪蓄積作用を示すため、長期的には肥満が懸念され、肉料理ばかりを食べるのはリスクが伴います。
また、野菜を米飯の前に食べてもインクレチンの分泌には変化はありませんでした。
しかし、野菜を先に食べることにより別の機序により食後血糖の上昇が抑えられることがわかっています。
これらをまとめると下記のようになります。
BEQNEWS No.34(病態栄養トピックス㉗)より引用
食べる順番も大事だけれど、運動も大事です!
食べる順番が食後血糖のコントロールには重要であることは説明してきましたが、
やはり運動も大事なポイントです。
筋肉は運動機能を担うだけでなく、糖代謝に重要な役割を果たしています。
年を重ねるごとに、筋肉は衰え、若年者以上にたんぱく質を摂取しないと筋肉は合成されません。
そのため、普段から適度な運動を心がけ、筋力を維持していきましょう。
まとめ
食後血糖の急上昇をコントロールするためには、食事を摂る順番が大事です。
食事の最初には魚料理や野菜から食べることで、食後血糖の急上昇を抑えることができます。
ただし、肉料理は脂肪蓄積のリスクが伴うため、お勧めはできません。
さらに、糖代謝には筋肉も重要な役割を果たしているため、適度な運動をこころがけ、筋力の維持に努めていくことが大切です。
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